
四文字熟語というと、むずかしくて堅い言葉の集まりに見えるかもしれません。けれど、覚え方を少し変えるだけで、親子の会話や遊びの中に自然と入り込み、ぐっと身近なものになります。大切なのは、意味をただ暗記することではなく、使う場面や気持ちと結びつけることです。
この記事では、家庭で無理なく続けられて、しかも楽しい四文字熟語の覚え方をまとめました。毎日のやり取りの中で言葉の力を育てたいときに、気軽に取り入れられるヒントとして役立ててください。
四文字熟語は「意味」より「場面」で覚える
学校で使える言葉から覚える
四文字熟語を覚えるとき、最初から辞書のように意味だけを追いかけると、言葉が頭に残りにくくなります。特に子どもは、実際に目にする出来事と結びついている言葉ほど覚えやすいものです。だからこそ最初は、学校生活の中で出会いやすい場面に合わせて選ぶのが効果的です。
たとえば、友だちと協力して掃除をする場面なら「一致団結」、授業や発表にまじめに取り組む姿なら「一生懸命」のように、毎日の行動とつながる言葉は記憶に定着しやすいという特徴があります。テストに出るから覚えるのではなく、「この言葉、今日の出来事にぴったりだね」と話せることが大切です。
親が「今日の体育祭、みんなでがんばっていたね。あれは一致団結って感じだったね」と言うだけでも、子どもの中では言葉に場面の映像がつきます。場面が浮かぶ言葉は、ただの文字の並びでは終わりません。まずは教室、休み時間、給食、発表、行事など、身近な学校の出来事から四文字熟語を拾っていくと、覚えること自体がぐっと楽になります。
家の中でよくある出来事と結びつける
四文字熟語は学校だけでなく、家の中の出来事とも相性がいい言葉です。むしろ家庭のほうが、親子でその場ですぐ使えるぶん、学びのチャンスは多いかもしれません。たとえば、兄弟でおもちゃの片づけを一気に終わらせたときには「電光石火みたいに早かったね」と言えますし、夕飯を家族そろって楽しむ時間には「和気あいあい」が自然に使えます。
こうした言葉は、特別な勉強時間を作らなくても生活の中で繰り返し耳に入ります。すると子どもは「この言葉はこういうときに使うんだ」と感覚でつかめるようになります。紙に書いて覚える前に、家庭の空気の中で言葉を育てるイメージです。
四文字熟語は生活のラベルとして使うと、驚くほど覚えやすくなります。親が少し意識して言葉を添えるだけで、いつもの食事や片づけ、外出の時間が学びの場に変わります。勉強らしさを出しすぎないことが、長く続けるコツです。
気持ちを表す言葉から入る
四文字熟語の中には、行動だけでなく気持ちを表す言葉もたくさんあります。そして、気持ちに関する言葉は親子で共有しやすく、会話にも入れやすいという良さがあります。うれしい、悔しい、安心した、あきらめたくない。そんな感情の場面に言葉を重ねると、意味がぐっと近くなります。
たとえば、何度失敗しても挑戦したときには「不撓不屈」、夢中で何かに取り組んでいる様子には「無我夢中」といった言葉が使えます。感情と結びついた言葉は、そのときの表情や声の調子も一緒に残るので、覚えたあとに忘れにくくなります。
言葉は気持ちを整理する道具にもなります。「今日はくやしかったね。でも不撓不屈って感じでがんばったね」と声をかけると、単なる語彙の勉強ではなく、自分の経験を言葉で受け止める練習にもなります。意味を説明するだけでなく、心の動きとセットで伝えることが、四文字熟語を身近にする近道です。
親子の会話にそのまま入れてみる
覚えた四文字熟語を定着させるには、ノートに書いて終わりにしないことが大切です。いちばん効果的なのは、親子の会話にそのまま入れてしまうことです。むずかしく考えず、短いひと言で十分です。「今日は元気いっぱい、意気揚々だね」「集中していたね、真剣勝負みたいだったね」といったふうに、自然な声かけの中に入れていけば、言葉は生きた形で残ります。
会話の中で何度も耳にした言葉は、子どもの中で少しずつ自分の言葉になっていきます。最初は意味があいまいでも、何度か違う場面で聞くうちに使い方の輪郭が見えてきます。ここで大事なのは、完璧な説明よりも使う回数です。
一度で覚えさせようとしなくて大丈夫です。むしろ、何気ない会話の中で何回も出会うほうが自然に身につきます。会話の中で口にした熟語は、暗記した熟語よりずっと使える知識になりやすいので、親のほうが少しだけ先に楽しんで使ってみると、子どもも取り入れやすくなります。
似た言葉をセットで覚える
四文字熟語を一つずつばらばらに覚えると、意味があやふやになったり、すぐに混ざったりしがちです。そこで役立つのが、似た意味の言葉や近い場面で使う言葉をセットで並べる方法です。たとえば「一致団結」と「協力無比」のように協力する雰囲気の言葉を並べたり、「無我夢中」と「一心不乱」のように集中する様子を比べたりすると、違いも共通点も見えてきます。
比べながら覚えると、「この言葉はみんなで力を合わせる感じ」「こっちは一人で集中する感じ」というように、頭の中で分類が進みます。言葉の意味を整理する作業がそのまま記憶の助けになるのです。
似た言葉を並べると、覚える量が増えるのではなく、むしろ整理しやすくなります。親子で「この二つ、何が似てるかな」「どっちが今の場面に近いかな」と話してみると、ただの暗記が考える時間に変わります。四文字熟語は一語ずつ孤立させるより、仲間どうしで覚えるほうが、ずっと使いやすくなります。
遊びながら覚えると記憶に残りやすい
カルタのように出題して楽しむ
四文字熟語を遊びに変える方法として、まず取り入れやすいのがカルタのような出題です。紙に四文字熟語を書いた札と、意味や場面を書いた札を作って、読み上げながら取るだけでも十分に盛り上がります。市販の教材がなくても、家にあるメモ用紙で気軽に始められるのが魅力です。
たとえば「家族みんなで仲よく話している様子」と読んで、「和気あいあい」の札を取るようにすると、子どもは意味を映像として受け取りながら言葉を選ぶことになります。この流れが、ただ見るだけの学習よりも記憶に残りやすい理由です。手を動かしながら覚える学びは、印象が強く残ります。
勝ち負けをつけてもいいですし、時間内に何枚取れるかというルールでも楽しめます。大事なのは、間違えたときに空気を重くしないことです。笑いながら「おしい、そっちはこっちの意味だね」と言い直せば、遊びの熱がそのまま学びになります。カルタの形にすると、四文字熟語が机の上の勉強から、家族のイベントへと変わっていきます。
クイズ形式で3択にする
いきなり答えを言わせると、子どもによっては「わからないから言いたくない」と感じることがあります。そんなときに便利なのが3択クイズです。正解を一つにしぼる形なら、初めての言葉でも参加しやすく、「考えて当てる」楽しさが生まれます。難しすぎず、簡単すぎないちょうどよい負荷になるのも、この方法の強みです。
たとえば「みんなで力を合わせる様子はどれ?」として、「一致団結」「右往左往」「晴耕雨読」の三つを出すと、意味の違いにも目が向きます。正解したときはうれしく、外れても選択肢どうしを比べることで知識が残ります。正解を当てることより、選ぶ理由を話すことが理解を深めます。
親が「どうしてそれを選んだの?」と聞くと、子どもは自分なりの考えを言葉にします。その説明が少し違っていても、そこから意味のズレを整えれば大丈夫です。クイズは答え合わせより会話が主役と考えると、ぐっと使いやすくなります。短い時間でも取り組みやすく、食卓や移動中の会話にも取り入れやすい方法です。
ジェスチャーで意味を当てる
体を使って覚える方法は、四文字熟語の学びを一気に楽しいものにしてくれます。特にジェスチャー遊びは、意味を言葉だけでなく動きでも理解できるため、記憶に残りやすくなります。「右往左往」なら部屋の中をうろうろ歩いてみる、「一心不乱」なら黙々と作業する動きをしてみる、そんな簡単な表現でも十分です。
動きを見て当てる遊びでは、子どもは言葉の意味を頭の中で映像化しようとします。これは四文字熟語の理解にとても役立ちます。文字だけではつかみにくい言葉でも、体の動きが入ることで急にわかりやすくなることがあります。
言葉に動きを重ねると、記憶の引き出しが増えます。目で見て、体で感じて、声に出して答える。この流れがあるだけで、学びは単調になりません。じょうずに演じる必要はまったくありません。少し大げさなくらいのほうが家族では盛り上がりますし、その笑い声ごと熟語の印象として残っていきます。
しりとり風に言葉をつなげる
四文字熟語そのものを普通のしりとりにするのは少し難しいですが、意味や使う場面をつなげていく遊びにすると楽しく続けられます。たとえば「元気いっぱいな様子」と言われたら「意気揚々」、「次はやる気が落ちない言葉」とつないで「不撓不屈」といったように、言葉どうしをイメージでつないでいきます。
この遊びのよいところは、単語を一つ思い出すだけで終わらず、その次に何が続くかまで考えるところです。つまり、覚えた知識を取り出して並べる練習になります。ノート学習では受け身になりがちな子でも、遊びにすると自分から言葉を探しにいきます。
覚えるだけでなく、思い出して使う練習までできるのが、この方法の強みです。親が「その言葉の次ならどれが合いそう?」と少しだけヒントを出せば、流れが止まりません。遊びの形を借りながら、頭の中で四文字熟語どうしを結びつける時間が生まれます。
お風呂や食卓で1日1語にする
毎日たくさん覚えようとすると、どうしても負担が大きくなります。そこでおすすめなのが、お風呂や食卓など、家族が自然に顔を合わせる時間に「今日はこの一語だけ」と決める方法です。一日一つなら気持ちが重くなりにくく、続けやすさがぐっと上がります。
たとえば夕飯のときに「今日の一語は和気あいあい」と決めて、その日の会話の中で何度か使ってみます。お風呂では「どんなときに使うかな」と話しながら、寝る前にもう一度思い出してみる。このくらいの軽さで十分です。量を増やすより、同じ言葉に何度か触れるほうが定着しやすいからです。
一日一語は、家族の生活に学びをなじませるちょうどよい単位です。短い時間でも続けると、数週間後にはかなりの言葉が身についています。勉強の時間をわざわざ用意しなくても、毎日の習慣の中に入れられるので、親にとっても無理が少ない方法です。
覚えやすくする工夫は「音」と「イメージ」
声に出してリズムで覚える
四文字熟語は、目で見るだけより声に出したほうが覚えやすくなることがあります。その理由は、四つの漢字が並ぶ言葉には独特のリズムがあるからです。「いっちだんけつ」「わきあいあい」「むがむちゅう」と読んでみると、音のまとまりが耳に残ります。この音の感覚は、記憶の助けとしてかなり頼りになります。
親子で声をそろえて読んでみたり、手拍子をつけたりすると、さらに覚えやすくなります。言葉をリズムで受け取れるようになると、意味が少しあいまいでも口から先に出るようになり、そのあとで意味が定着していくこともあります。覚える入口は、必ずしも意味だけでなくていいのです。
耳に残る言葉は、あとから思い出しやすい言葉になります。とくに家で学ぶなら、歌うように読んだり、テンポよくくり返したりするだけでも十分です。静かに机へ向かうだけが勉強ではありません。声に出すことで、四文字熟語のかたさがほどけ、親しみやすい言葉として入ってきます。
絵を描いて意味を見える化する
言葉だけではつかみにくい四文字熟語も、絵にしてみるとぐっと理解しやすくなります。絵が得意かどうかは関係ありません。棒人間でも簡単なマークでも、本人が意味を思い出せれば十分です。「右往左往」なら左右に行ったり来たりする人、「和気あいあい」なら笑顔で話す家族の絵でもいいでしょう。
絵を描くとき、子どもは自然と「この言葉はどんな様子だろう」と考えます。その考える時間が、意味をあいまいなままにしない助けになります。見る、考える、描くという流れがあるため、ただ文字を書くよりも印象が強く残りやすいのです。
頭の中のイメージを外に出すと、言葉はぐっと自分のものになります。親が横で「その顔、まさに意気揚々だね」と声をかけるだけでも、言葉と絵が結びつきます。完成度を求めず、意味を表せていれば大成功です。絵があるだけで、あとから見返したときにも一瞬で場面を思い出しやすくなります。
短いエピソードと一緒に覚える
四文字熟語は、短い物語とセットにすると驚くほど覚えやすくなります。たとえば「不撓不屈」なら、何度転んでも自転車の練習をあきらめなかった日の話。「無我夢中」なら、好きな工作に集中して時間を忘れた日の話。こんなふうに実際の出来事を添えるだけで、言葉はただの知識ではなく、自分の経験に近いものになります。
人は単語だけより、出来事の流れと一緒に覚えたほうが思い出しやすいものです。だから「この熟語って何だっけ」と迷ったときも、「あのときの自転車の話だ」と思い出せれば、意味までたどり着きやすくなります。覚えにくいと感じる言葉ほど、場面のある話をつけると効果的です。
一つの熟語に一つのエピソード。この形を意識するだけで、暗記の負担はかなり軽くなります。親子で「この言葉、最近の出来事なら何に近いかな」と話し合ってみると、言葉探しの時間そのものが楽しい会話になります。四文字熟語を生活の記録と結びつけることで、忘れにくい学びに変わっていきます。
漢字を分けて意味を考える
四文字熟語は四つの漢字がまとまっているぶん、ひとつのかたまりとして見てしまいがちです。でも、覚えにくいときは漢字を分けて考えると意味が見えてきます。たとえば「一心不乱」なら、「一つの心」と「乱れない」と分けて考えることで、集中して気が散らない様子が想像しやすくなります。
もちろん、すべての熟語が単純に分解できるわけではありませんが、意味の手がかりを探すには十分役立ちます。子どもに「この漢字、どんな感じがする?」と問いかけると、言葉の中身に目を向けるきっかけになります。ただ音だけで覚えるより、理解が一段深くなります。
漢字の役割に気づくと、知らない四文字熟語にも向き合いやすくなります。つまり一つ覚えるだけでなく、次の言葉を考える力にもつながるのです。意味を丸ごと飲み込めないときは、四つを二つや一つずつに分けてみる。それだけで、言葉の入口はかなり広がります。
似た音や反対の意味と比べる
言葉は比べることで輪郭がはっきりします。四文字熟語も同じで、似た音のものや反対の意味を持つものと並べると、印象が強くなります。たとえば「意気揚々」と「意気消沈」を比べると、どちらも気分に関係する言葉ですが、前向きか落ち込んでいるかで意味が大きく違うことがわかります。
こうした比較は、ただ覚えるだけでなく、使い分けにも役立ちます。「今日の自分はどっちに近いかな」と考えるだけで、熟語が急に身近になります。似た響きや対になる関係は、頭の中でセットとして残りやすいので、記憶のフックにもなります。
反対の言葉と並べると、意味の違いが一気に見えやすくなります。親子で「今日は意気揚々かな、それとも意気消沈かな」と話すだけでも楽しいやり取りになります。音や対比を使って覚えると、四文字熟語は難しい漢字の集まりではなく、気持ちや様子を表す便利な言葉として感じられるようになります。
親子で続けやすい習慣を作る
1日5分だけのルールにする
どんなによい方法でも、続かなければ力になりません。四文字熟語の学びを家庭で続けるなら、最初から長い時間を目指さないほうがうまくいきます。おすすめなのは「1日5分だけ」と先に決めてしまうことです。時間が短いと、始めるハードルがぐっと下がります。
5分あれば、一語を確認して、意味を話して、例をひとつ出すことができます。内容としては十分です。むしろ長くやりすぎると、親も子どもも疲れてしまい、「また今度でいいか」となりやすくなります。続く学びは、がんばりすぎない形でできています。
大切なのは量ではなく、毎日言葉に触れることです。短時間でも習慣になれば、言葉は少しずつ積み上がっていきます。時間を区切ると、終わりが見える安心感もあります。親子どちらにとっても負担が少ないため、日々の生活に取り入れやすく、自然に続いていく形を作れます。
できたらシールで見える達成感を作る
学びを続けるうえで、目に見える達成感は大きな助けになります。特に子どもにとっては、「どれだけ進んだか」がわかるだけでやる気が変わります。そこで役立つのが、覚えた四文字熟語や取り組めた日をシールで記録する方法です。カレンダーでもノートでも、貼る場所はどこでもかまいません。
一語覚えたら一枚、三日続いたら少し特別なシール、そんな簡単なルールでも十分です。目に見えて増えていく印は、「ちゃんと続いている」という実感につながります。これは大人が思う以上に大きな力になります。
見える形の積み重ねは、次もやろうという気持ちを生みます。親が「これだけ増えたね」と一緒に見返す時間も、立派な励ましです。達成感は、学習内容そのものと同じくらい大切です。ちいさな成功を目で確認できる仕組みがあるだけで、四文字熟語の学びはずっと続けやすくなります。
間違えても責めない空気を作る
言葉の学びが続かなくなる理由の一つに、「間違えるのがいやになること」があります。四文字熟語は似た言葉も多く、最初から完璧に覚えるのは簡単ではありません。だからこそ、家庭では正解よりも挑戦しやすい空気を大事にしたいところです。
たとえば答えが違っていても、「惜しかったね、こっちはこういう意味だよ」とやわらかく返すだけで、子どもの気持ちはずいぶん変わります。逆に、まちがいを強く指摘しすぎると、次から言葉を口に出すこと自体をためらってしまうことがあります。安心して間違えられる場所だからこそ、言葉は伸びていきます。
家庭はテストの場ではなく、試してみる場です。知らない言葉に出会ったとき、「これ何だろう」と気軽に言える空気があると、学びは前向きに続きます。親が先に間違えて笑ってみせるのも効果的です。完璧さより楽しさを大切にすることが、長く続けるための土台になります。
子どもが先生役になる日を作る
教わるだけの時間が続くと、どうしても受け身になりやすくなります。そんなときは、子どもが先生役になる日を作ってみると空気が変わります。覚えた四文字熟語を親に出題したり、意味を説明したり、例文を言ってみたりするだけで十分です。
人は誰かに説明しようとすると、あいまいな部分に気づきやすくなります。つまり、教える役に回ること自体が理解を深める練習になります。親がわざと少し迷ってみせると、子どもはうれしそうに言葉を選び、説明を工夫するようになります。
教えることは、覚えることより一段深い学びです。「今日は先生をお願いします」と声をかけるだけで、子どもの表情が変わることがあります。自分が知っていることを伝えられる実感は、大きな自信にもつながります。学びを親が与えるだけでなく、親子で入れ替わりながら作る時間にすると、四文字熟語がもっと身近になります。
覚えた言葉を日記や会話で使う
覚えた四文字熟語を本当に身につけるには、使う場面を持つことが欠かせません。せっかく覚えても、その後一度も使わなければ、記憶は薄れていきます。だからこそ、日記やちょっとした会話の中で言葉を使う機会を意識的に作ることが大切です。
たとえば日記に「今日は運動会で一致団結した」と一文入れてみるだけでも、言葉は一気に自分のものに近づきます。会話でも「今日は和気あいあいだったね」と言うだけで十分です。覚えた言葉は、使ってこそ定着します。
インプットだけでなく、短いアウトプットを重ねることが、家庭学習ではとても大切です。長い作文を書く必要はありません。一文でも、一回の会話でも、使った経験は強く残ります。言葉を知識のまま置いておかず、生活の中で動かしてみることが、続く学びの仕上げになります。
よく使う四文字熟語から広げると学びが深まる
まずは覚えやすい定番から始める
四文字熟語にはたくさんの種類がありますが、最初から珍しいものに手を広げる必要はありません。まずは日常で使いやすく、耳にしたことのある定番の言葉から始めるほうが、学びの流れはずっとスムーズです。「一生懸命」「和気あいあい」「一致団結」「意気揚々」などは、場面も想像しやすく、会話にも入れやすい代表的な言葉です。
定番の四文字熟語には、使う機会が多いという大きな強みがあります。何度も見聞きするからこそ、意味も自然に定着しやすくなります。最初に成功体験を作るには、この「使いやすさ」がとても重要です。はじめの数語でつまずかないことが、その後の広がりを左右します。
むずかしそうに見える言葉を集めるより、使える言葉を増やすほうがずっと価値があります。親子でまずは定番をしっかり身につけ、そのあとで少しずつ新しい表現へ広げていくと、学びに無理がありません。入り口は広く、続けながら自然に深めていく形が理想です。
前向きな言葉を優先して覚える
最初のうちは、前向きな意味を持つ四文字熟語を多めに選ぶのもおすすめです。なぜなら、良い気分と結びついた言葉は会話で使いやすく、子どもも受け取りやすいからです。たとえば「意気揚々」「日進月歩」「不撓不屈」などは、努力や成長、元気な気持ちを表せるので、家庭での声かけにも自然になじみます。
前向きな言葉は、励ましの表現としても使えます。「今日は日進月歩だね」「最後まで不撓不屈だったね」と伝えると、ほめ言葉に少し深みが出ます。ただ「がんばったね」と言うより、具体的な言葉が加わることで印象も強くなります。
気持ちを明るくする四文字熟語は、家庭でいちばん使いやすい教材です。もちろん、さまざまな意味の言葉に触れることも大切ですが、最初に前向きな熟語を多く持っておくと、親子の会話が広がりやすくなります。使いやすい言葉から始めることが、学びを続ける追い風になります。
ことわざや慣用句との違いも楽しむ
四文字熟語を学んでいると、ことわざや慣用句との違いが気になることがあります。ここを難しく考えすぎる必要はありませんが、ざっくりした違いを知っておくと、言葉への興味が広がります。四文字熟語は漢字四字でまとまった表現、ことわざは昔から伝わる教えやたとえ、慣用句は決まった言い回し、と捉えると整理しやすくなります。
たとえば「一石二鳥」は四文字熟語としても知られていますが、ことわざに近い感覚で使われることもあります。こうした重なりがあるからこそ、言葉の世界はおもしろいとも言えます。分類をぴったり当てることにこだわるより、「この言い方はたとえっぽいね」「これは気持ちを表すね」と楽しむことが大切です。
言葉の違いを知ることは、正解探しよりも使い分けの感覚を育てます。親子で「これは四文字熟語かな、ことわざかな」と話すだけでも、言葉を見る目が育ちます。学びを広げるときは、境界線をきっちり覚えるより、似ているところと違うところを味わう気持ちで進めると長く楽しめます。
テスト対策につながる覚え方を知る
家庭で楽しく覚えることが中心でも、学校のテストや漢字の学習につながる形にしておくと安心です。そのためには、意味だけでなく、使い方や漢字そのものにも少し意識を向けるのがポイントです。たとえば「この熟語はどんな場面で使えるか」「反対の意味の言葉はあるか」を一緒に考えると、記述や選択問題にも対応しやすくなります。
また、似た熟語を比べる練習は、選択式の問題で力を発揮します。「無我夢中」と「一心不乱」の違いをざっくりでも説明できれば、ただ丸暗記した状態よりはるかに強いです。テストに強い覚え方は、結局のところ理解が深い覚え方です。
楽しさと実用性は、どちらか一つを選ぶものではありません。遊びながら意味をつかみ、会話で使い、最後に軽く書いて確認する。この流れができると、家庭での学びがそのまま学校で役立ちます。知識を点で終わらせず、使える形にしておくことが、結果的にテスト対策にもつながります。
親子で「お気に入りの一語」を見つける
たくさんの四文字熟語を覚えることも大切ですが、親子それぞれに「これが好き」という一語を持つことも、とても意味があります。お気に入りの言葉があると、その言葉をきっかけにほかの熟語へ興味が広がりやすくなるからです。好きな理由は何でもかまいません。響きがかっこいい、意味が好き、自分に合っている気がする。そんな感覚が出発点になります。
たとえば親は「不撓不屈」、子どもは「意気揚々」というように選んでみると、それぞれの気持ちや価値観も少し見えてきます。どうしてその言葉が好きなのかを話す時間は、単なる語彙学習を超えた親子の会話になります。好きな言葉は、いちばん長く心に残る言葉です。
お気に入りの一語は、学びの中心になる旗のような存在です。覚えることが目的になりすぎると苦しくなりますが、好きな言葉を見つけると学びに温度が生まれます。四文字熟語を知識として増やすだけでなく、自分の気持ちや毎日の出来事と結びつく言葉として持てるようになると、学ぶ時間はもっと豊かなものになります。
まとめ
四文字熟語は、意味を覚えるだけの勉強にしてしまうと、どうしても遠い言葉に感じやすくなります。けれど、学校や家庭の出来事、親子の会話、遊び、日記などに結びつけると、言葉はぐっと身近になります。続けるコツは、たくさん詰め込むことではなく、短い時間でも繰り返し触れることです。
場面で覚え、遊びで親しみ、音やイメージで定着させ、日々の習慣の中で使っていく。この流れができると、四文字熟語は暗記の対象ではなく、自分の気持ちや出来事を表す便利な言葉に変わっていきます。親子で一緒に楽しみながら、お気に入りの一語を少しずつ増やしていくことが、いちばん自然で長く続く覚え方です。